最近の脳科学の進歩によって、不安のメカニズムが少しずつわかってきています。不安や恐怖には、脳の中の扁桃体が重要な役割をはたしています。外からの情報は扁桃体に入力されます。その情報から危険かどうかを判断します。危険と判断すると不安感や恐怖という感情、自律神経系から動悸、振るえ、発汗などの体の症状が現れます。そして、体の症状の情報が再び扁桃体と入力されると不安の回路を形成することになります。
この回路が過剰に働くことで、現在大きな危険が迫っているわけでないのにもかかわらず、扁桃体が活発に働いて不安症状が出現し、日常生活に支障をきたしてしまうことになります。
扁桃体の活動は前頭葉の働きも関係しています。前頭葉と扁桃体の機能を調節するのはセロトニンとGABAです。抗うつ薬はセロトニンの働きを強めます。抗不安薬はGABAの働きを強めることで過剰な不安や恐怖、それに伴う体の症状を軽減します。
セロトニンの量を増やす方法として規則正しい生活、睡眠時間の確保、運動、日光浴、食べ物は卵。その中に含まれるトリプトファンがセロトニンを生成する際の原料になるとわかってきました。セロトニンを安定して働くようにすることで、不安感を軽減することができます。
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